2009年6月4日 NYマーキンコンサートホールで6月7日(日)開催予定の「岩永善信クラシックギターリサイタル」に向けて成田を出発。
7日(日)、NYマーキンコンサートホールでリサイタル。午後7時半開演。
この会場は、ニューヨークのブロードウエイ通りの近くにありカーネギーホールやリンカンセンターなど劇場の多い立地にあって交通の便も非常に良いところであった。幸い天候にも恵まれ、地元メディアのご協力など事前のPRもあって開場早々から満席の状況。
ホールは最近リニューアルしたとの事で、ホールはもちろんであるが、客席にも反響版が設けられている。(珍しい!)音響効果を計算して取り付けたとの事でとても興味深かい。音の響きも豊かで美しくギター演奏には願ってもない。お客様には勿論演奏者にもとっても幸せな会場であった。
ドレスアップされたお客様が多く流石ニューヨーカーはTPOをわきまえていて会場の雰囲気もよかった。
プログラムは下記のとおり。
1.リュート組曲3番BWV995 J.S.バッハ
プレリュード&プレスト/アルマンド/クーラント/サラバンド/ガボットT&U/ジーグ
2.天使の死 A.ピアソラ
セーヌ川
ブエノスアイレスの夏
3.ペールギュント より E.グリーグ
朝・アニトラの踊り・ソルベイグの歌
4.シューベルト「鱒」の主題による変奏曲 K.フリースネク
5.エピローグ E.グラナドス
東洋の行進曲
物乞うひと
スペイン舞曲第6番
岩永の十弦ギターから奏でられる透明感あふれる音色、楽曲を息づかせる細やかで大胆な表現、生の演奏によるお客様との一体を大切にするこの真摯な姿勢が会場全体を一つにする。
アンコールはアメリアの遺言・ライオンの行進曲・そしてアメージンググレイスを演奏。いつまでも拍手が鳴り止まず、惜しみながらコンサート終了!
マーキンコンサートホール公演前日の6月6日(土)はバーゲンフイールド教会でコンサート。バーゲンフィールドはアメリカ合衆国ニュージャージー州に位置する郡で人口80万人ぐらい。アメリカで一番世帯収入の高い郡との事。
午後7時からチャリテイーコンサートとして開催。入場料金は寄付金形式として、金額はお客様の任意。
終演後のレセプションでは和気藹々の和やかな雰囲気で岩永との話も盛り上がり愉しいひと時を過ごされているご様子が窺えた。その折によく話題になるのがCDの事。岩永は生の音楽へのこだわりで録音をしていない。故に、コンサートの時にCD販売をしていないので皆さまガッカリされる。『CDを是非出してほしい』とここでも強く要望された。
今後、NYでコンサートの折には是非また教会コンサートをお願いします!と熱いお誘いをいただいた。
ニューヨークでのリサイタルは今回で3回目。
2005年のNYバンクーバーコンサートツアーに始まり、2007年6月カーネギーホールで絶賛を博し、ご来聴いただいた多くのファンの方々からの要望と、聴衆の一人であったNY音楽事務所の代表から是非主催したいとの申し出があり、今回のマーキンコンサートホールでのコンサート開催の運びとなった。
今回も主催者から「TRUE AIRTIST」と高い評価を受け、『岩永のような「真の音楽家」と一緒に仕事をするのは自分の誇りである』と嬉しい言葉を頂いた。また、ホールマネージャーからも『素晴らしい魅力的な音色』と賛辞を受けた。
次回は2年後の2011年に公演確約となった。
NYで公演も回を重ねるごとに新しいフアンや支援者も増えて喜ばしいことである。 成功裏にリサイタルを終え、翌6月8日、日本への帰路についた。
田之頭 稔
【2009年(平成21年)<現代ギター9月号>より抜粋】