■コンサートレポート
2016・11・3(木)
国の重要文化財として保存されている、旧善通寺偕行社での演奏会は今年で3回目を迎える。
近代的な音楽ホールらしからぬ佇まいの、落ち着いた雰囲気の建物の中で、漆喰塗りの白壁をバックに颯爽と華麗に演奏する岩永氏の姿が、一段と映える舞台でもある。そこで演奏する姿に惚れ込んだお客様が毎年誕生し、特に今年は去年より多くのファンに取り囲まれての演奏であった。
今年のプログラムは、特にE.グラナドスの曲を中心に岩永氏が取り組んだ難曲が多い中、 私のたってのリクエストでF.タレガの「アルハンブラの思い出」を取り入れて頂いた。「アルハンブラの思い出」は全曲トレモロ奏法で弾かれる馴染みの曲だが、岩永氏の演奏は従来の静かに始まり静かに終わる演奏と違って、10弦用に編曲された初めて聴くアルハンブラの思い出であり、数年前からのお客様からのリクエストに答えた大満足の演奏会であった。
今年の岩永氏は楽器の調子も良く、コンディションも良いのか、伸び伸びと一つ一つの音を丁寧に鳴らし、聴いているお客様からも賛美の声が聞こえた位である。来年も楽しみである。
演奏会終了後、会場近くの居酒屋で恒例の打ち上げを行ない、次回の構想を練りながら遅くまで盛り上がった宴であった。
♪ プログラム ♪
第1部
1.S.Lヴァイス アントレ&シャコンヌ
2.C.サン=サーンス 左手の為の6つのエチュード
Op.135より
フーガ風に
ブーレ
3.E.グラナドス エピローグ
スペイン舞曲第5番〈アンダルーサ〉
昔話し
スペイン舞曲第6番〈ホタ〉
〜〜〜〜〜 休 憩〜〜〜〜〜
4.S.ドッジソン パルティータ
T.Allegretto Con moto
U.Molto vivace
V.Adagio
W.Allegro
〜〜〜 質 問 コ ー ナー〜〜〜
5.久石 譲 もののけ姫
成田 為三 浜辺の歌
F.タレガ アルハンブラの思い出
6.E.グラナドス 祭りの思い出
サパテアート
アンコール
1.カタロニア民謡 アメリアの遺言
2.L.van.ベートーベン トルコマーチ
(文 オリーブコンサート実行委員会 委員長 太田 修)