■コンサートレポート
2017.5.28(日)
岩永善信ギターリサイタルin新潟15th〜10弦の世界〜
5月28日(日)、18:00より、新潟市内にある新潟日報ホール(メディアシップ内)において、「岩永善信ギターリサイタルin新潟15th〜10弦の世界〜」を開催、成功裏に終了した。
曲目は次の通り。シチリアーノ(M.T.パラディス)・/無伴奏チェロ組曲第3番BWV1009より、プレリュード、クーラント、サラバンド、ジーグ(J.S.バッハ)/『アルルの女』第2組曲より間奏曲・ファランドール(G.ビゼー)〜休憩〜 パルティータ(S.ドッジソン)/浜辺の歌(成田為三)/雪の降る街を(中田喜直)/さくら幻想曲(日本古謡)/エピローグ・スペイン舞曲第5番<アンダルーサ>・昔話・サバテアード(E.グラナドス)。
アンコールは、「アメリアの遺言」(カタロニア民謡)、トルコ・マーチ(ベートーベン)、アメージング・グレース(アメリカ民謡)の3曲。
新潟市内を流れる信濃川に架かる重要文化財「萬代橋(ばんだいばし)」のたもとに3年前に建立された日報ホールを舞台にして、岩永善信氏は、今年も、≪例えようもなく繊細でかぐわしい音≫を随所に散りばめつつ重厚かつダイナミックな演奏を繰り広げ、会場を驚きと感動で満たした。
プログラム終了後、鳴り止まない拍手に応じて、3曲ものアンコール曲を一曲一曲慈しむように演奏、新潟の聴衆を最後まで喜ばせてくれた。
必ずしもクラシックギターに適した音響とは言えないこのホールは、誰も見ることのできないだろう高いレベルを見つめ常に極限の音楽表現をしようとする岩永氏にとっては過酷で厳しい環境だったろうと思う。しかし、岩永氏は、空間全体、聴衆の息遣い、そこにあるものすべてを瞬時のうちに自身の音楽に換え、咳ひとつ聞こえない静謐な時間を作り上げ、格の高いコンサートを実現してくれた。
聴衆の心に深く残る一夜をもたらしてくれたことを心から感謝するとともに、岩永氏の<計り知れない力>を目の当たりにしてただただ畏敬の想いを持つ。
すでに16回目の日程の問い合わせが至る所から主催者の元へ届き始めている。「たくさんの応援の熱い声」を支えに、実現に向けて歩みを進めようと思う。
(「岩永善信ギターリサイタルin新潟」主催者 広瀬恵子)