2017年12月9日(土)ハクジュホール
パラディスの「シチリアーノ」では、物憂い感じが、ギターに合うなと思う。やはり、内声がよく聞こえてきて、心地いい。装飾音も綺麗だ。
バッハ「チェロ組曲3番」:全曲を一気に弾き通した。チェロのように弾くのではなく、弦楽器としてのいい部分に、チェンバロなどの鍵盤楽器の要素も含めて、10弦ギターならではの響き、表現を作っている。各舞曲の対比、全体の構成も見事だが、サラバンドと最後のジーグに岩永さんの情熱を感じた。
後半は(珍しく?)、ギターのオリジナル曲であるポンセの「南のソナチネ」。改めて、ギターにもいい曲があるなと思う。開放感のあるカンポ。ピッチカートの旋律が綺麗。コプラは瞑想的で、ギターならではの表現が際立つ。最後のフィエスタは、息つく暇もないが、ラスゲアードが華やか。
最後は、本日の目玉である「アルルの女第二組曲全曲」。オーケストラの曲をギターで全曲演奏するなど、常人では考えも及ばないが、見事な演奏だった。改めて、「ギターは小さなオーケストラだ」という言葉を思い出した。ギターが、どこまでオーケストラに近づけるかということではなく、ギターすでにオーケストラであるということだ。ポリフォニー、シンフォニーを奏でることのできる楽器。もちろん、岩永さんだからできるのであるが、その可能性を充分証明したリサイタルだった。
岩永さんに続くギタリスト達にとって、ビゼーの音楽が、ギターのレパートリーにこれからなって行くんだろうという予感。
ギターの音楽が豊かになり、ギターがビゼーの音楽を豊かに表現する。
アンコールは、ブローウェルの「11月のある日」、ファリャの「粉屋の踊り」、
今年も、リサイタルに来れてよかった。岩永さんに感謝。
■アンケート
●「アルルの女」魂の叫びの様な力強さ、生命力の強さを感じました。(?歳女性)
●広範囲の選曲で面白く、ドラマティックで迫力があり良かったです。(?歳女性)
●バッハ(無伴奏チェロ組曲3番)引き込まれました。神が降りた!!
●ギターの音色が言葉をもって語っているようで本当にすごいと思います。(47歳女性)
●アルルの女、また是非聴きたい!!CD出ませんか?(?歳女性)
他多数
■新聞・雑誌記事