
昨年11月のギターリサイタルに続き2回目のコンサートである。 今回の企画は名古屋初演、前半はタンスマンの王宮の音楽、バロック舞曲のスタイルに近代フランス音楽の香りを添えた8つの小品の6曲を演奏した。続いてチェンバロのソロ、新クラウザン組曲集より(ラモー)、前半最後の曲はドッジソンのギターとチェンバロのデュオ・コンチェルタンテ、ドラマティックな対話やテクニックの競い合いが展開され滅多に演奏されることのない作品、研ぎ澄まされた感性と楽器の粋を越えたダイナミックで豊かな響きに観客は
魅了された。後半は岩永氏のソロ演奏、エピローグ、東洋の行進曲、昔話、スペイン舞曲第6番(グラナドス)ギターの持つスペインの情緒とピアノが持つダイナミックな音響の両方を実現した素晴らしい演奏であった。最後はギターとチェンバロのためのデュオ、ニ長調G.448「ファンタンゴ付き」(ボッケリーニ)ギターと鍵盤楽器への編曲が単独で取り上げられるが今回はギタリストの川潟誠の編曲により3楽章が演奏された。
3回目の宗次主催コンサート、岩永善信氏の演奏は11月9日予定。
( 大野 正子 )
【2008年(平成20年)<現代ギター8月号>より抜粋】
【2008年(平成20年)<現代ギター8月号>より抜粋】