●2011.5.22(日)岩永善信ギターリサイタルin新潟9th
5月22日(日)、午後5時半より、新潟市内にあるだいしホールにおいて、「岩永善信ギターリサイタルin新潟〜国際的ギタリストが紡ぎ出す極上の響き〜」を開催、成功裏に終了した。
曲目は次の通り。アダージョ/T.G.アルビノーニ、プレリュード&ガボットT・U/M.Mポンセ、無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番BWV1001/J.S.バッハ、〜休憩〜ロマンス&カプリス第24番/N.パガニーニ、黄金のポリフェーモ(ギターのための4つの断章)/R.S.ブリンドル、コルドバ&朱色の塔/I.アルベニス。アンコールは、「動物の謝肉祭」より、王者の行進(サン=サーンス)、精霊の踊り(グルック)、粉屋の踊り〜バレエ音楽「三角帽子」より〜(ファリア)の3曲を演奏。
世界でひとつしかないというロマニリョス作の10弦ギターを抱えて、岩永氏は颯爽と登場。スポットライトひとつに照らされたステージで、時には粛々と、時には慈しみ深く、あるいはまた巨大な塊となった情熱を一気に吐き出すかのような激しさを持って、岩永氏はプログラムを弾き進めていった。最後には、会場に渦巻く熱い拍手に応じて、3曲ものアンコール曲を演奏、聴衆をよりいっそう喜ばせてくれた。
進化を止めることのない岩永氏の演奏は、来県するたびに新しい感動をもたらし、
聴衆の心を決して飽きさせることはない。
とりわけ、「東日本大震災」から2カ月目に当たる今回は、よりいっそう力と祈りの
満ち溢れた格別の演奏を、聴く人々の心に残していってくれたように思う。
楽器との関係をより一体化するべく道を模索し、"ギターとのせめぎあい"を続けるその姿や音楽から、CDを出さずとも、10弦ギターの第一人者としての位置を変えることなく活躍する岩永善信というギタリストと、世界に1台しか存在しないロマニリョス作10弦ギターとの、"奇跡ともいうべきセッション"の姿を見せつけられた感のする一夜でもあった。
それにしても、ギタリスト岩永善信は、自分をどこまで突き詰めていくのだろうか。
妥協なく極限まで自らを追いつめていった先に、本物の芸術表現が生まれ、その結果、人々の心を深く揺り動かすことになる、ということなのだろうか・・・・・・。
常によりよい音楽を目指して究極の道を究めようとし続けているゲストを招聘する以上、
主催者側もまた、ゲスト演奏者にとってより演奏しやすい居心地の良い空間と時間を
提供することを目指さなければ、そしてそれがそのまま聴衆を大事にすることにもつながる
に違いない、と想いを新たにしつつ、10回目の次回に向けて準備を開始しているところで
ある。
岩永善信ギターリサイタルin新潟 実行委員会代表 広瀬恵子